みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農泊を営む、くらしの宿Cocoroです。
突然ですけど、薪ストーブって導入するのにけっこうまとまった額のお金が必要なんですよね。お金がなきゃ薪ストーブなんて導入できないよ、というご指摘はごもっともなんですが…。
でもお金がないという理由で諦めるのはイヤだ! やっぱり薪ストーブを設置したい! という熱意ある方に向けて、薪ストーブを格安で設置するために押さえておきたい4つのポイントをお伝えしますよ!
今回はちょっと長めですが、ぜひ参考にしてくださいね〜。ただし、薪ストーブには火災という極めて大きなリスクがあります。格安設置をしつつ、一方で火災のリスクをいかに低くするか。ここが一番重要であることは言うまでもありません!
DIYでどうやって薪ストーブを設置するのか、という記事はコチラからどうぞ。薪ストーブの選び方、設計、煙突の取り回し、実際の設置、そして煙突掃除までを4回に分けて詳しく書いてみました。
そして薪ストーブを設置した時の記事がヤフーやグーグルでかなり検索されているようです。コレですね。設置編が一番読まれているということは、みなさんかなり本気だわ(笑)
ということはですよ!
今回の記事もあながちムダ情報ではないんじゃなかろうか? というわけで、1人で張り切っていきます!
目次です
薪ストーブの設置にかかる費用とは
薪ストーブの設置にかかる費用は、単純にこの4つです。
- 本体代
- 煙突代
- 設置工事代(設計費含む)
- アクセサリー代
ということは、この4つをいかに下げていくか、ということなんですが、それがなかなかうまくいきません。なぜなら、ほとんどの人が情報や技術(=ノウハウ)を持っていないからです。
ワタクシの場合、ハッキリ言って1〜3まで全く何もありませんでした(4に関しては最初からちょっと思うところがありました)。なので本やネットで情報を集めたり、人に聞いたり、実際の設置現場を見たり、DIYの腕を磨いたりして、ノウハウの取得や技術のレベルアップに努めました。
薪ストーブ格安設置 その①
本体の価格を下げる
そりゃそーだわ、という話です(笑)
そんなこと誰でも思いつくってーの、という話です。でも、実はそこに大きな落とし穴があるのですよ…。
メリット
薪ストーブは安いものは数千円から、高いものは何百万円(!)もするものまであります。ここは実際に大幅に予算に関わってくる場所なんですが、その前にちょっと落ち着きましょう。
予算に応じて買うものを選ぶのは当たり前です。でも薪ストーブって、星の数ほど種類がいっぱいあるんですよ。まずそのたくさんの種類の中から、自分に合ったものを選ぶのが大変です。
それが落とし穴につながっているのですよ…。
落し穴
この時やってしまいがちなのが、予算からストーブを選んでしまうこと。特に格安設置を目指す人は、まず総予算を決めて、そこから本体はいくら、煙突はいくら、と大体の予算を振り分けていると思います。総予算が60万円だから本体代は20万円以内だな、とかそんな感じで。
実はそれが落し穴なんですね〜。
ノウハウがない状態で、とにかく安く安く、とやってしまうと、かなりの確率であとでガッカリします…。そしてそれをまた安く改善しようとして、余計にお金がかかってしまうことも…。しつこいようですが、火災の危険性もありますしね。
特に薪ストーブのような、くらしを豊かにしてくれる道具は、ちゃんと時間をかけて、いろいろ勉強して、じっくり検討して、自分たちのくらしの中に落とし込む必要があると思います。
この「何かをくらしの中に落とし込む」作業って、実はむちゃくちゃ大事で、それだけで楽々1本記事が書けてしまうくらいなんですが、ここはひとまず「ふむふむ。そうか、くらしの中に落とし込む必要があるんだな」くらいに考えておいてください。
くらしの宿Cocoroの場合は
私たちがくらしの中で薪ストーブに求めたものは、こんな感じでした(順番は思いつきで、優先順位ではありません)。
- 郡上の豊富な森林資源を有効活用したい
- でも薪はできるだけ少ない方がいい
- 郡上は寒いからハイパワーのものを
- 簡単に扱えてメンテナンスがしやすい
- 長寿命
- 調理ができる
- 自分で設置できる
- 本体が軽い
そこでいろいろと調べ、最終的にMOKIというメーカーのMD80Ⅱという機種を選びました。
格安で薪ストーブを設置をお考えの方は、ほとんどの人が自分で設置しようと思われているはずです。それには最後の「本体が軽い」ってのが、めちゃくちゃ重要になります! 普通の鋳物の薪ストーブは、重さが大体150キロくらいあります。重いものは200キロを超えます。
古民家であれば、床の補強が必要になります。でも何より、150キロを上回るものは、人力では運べません。
くらしの宿Cocoroが設置した「モキさん」はその半分以下、わずか70キロしかありません。大人が2人いれば、大した苦労もなく運べます。そのおかげで、業者さんに頼まずに、床の補強もなしで、自分でポンと設置ができたわけです。
薪ストーブ格安設置 その②
煙突の価格を下げる
薪ストーブのことを勉強して初めて知ったのですが、煙突ってむちゃくちゃ高価なんですね〜。本体と同じくらいか、場合によってはそれ以上します。
なので、煙突のコストを下げることでも、大幅な節約ができます。
くらしの宿Cocoroでは、ハゼ折りシングル煙突(銀色)を付けました。セオリー的には断熱2重煙突を付けることが多いと思いますので、私たちが選んだ煙突はちょっと珍しいタイプだと思います。でもこれ、ただ単に安くしたかったわけではないんです。実はそこにはちゃんと理由があるんですね〜。詳しい理由はコチラをご覧下さい。
DIYで薪ストーブ設置④ 「煙突掃除をしてみました」編 - くらしの宿Cocoroのブログ
メリット
安さで考えるとハゼ折りシングル煙突が断トツです。断熱2重煙突の半分以下の金額で購入できます。煙突を支える部品も安いし、全体的に軽いから設置も楽チンです。
デメリット
最大のデメリットは、煙道火災を起こした時の被害です。なのでハゼ折りシングルを選ぶには、煙突の取り回しをしっかりと考え、1シーズンに何度も煙突掃除をする必要があります。火災になりにくい安全な設計と、その後の保守作業はマストです!
くらしの中でそれがしっかりとできるなら、ハゼ折りシングル煙突で一気に値段を下げるという選択肢は、アリなんじゃないかと思います。
薪ストーブ格安設置 その③
設置工事費(設計含む)を下げる
これはつまり設計から設置まで、ぜ〜んぶ自分でやっちゃおう、ということです。 業者さんに設置をお願いすると、どうしてもある程度の金額になってしまいます(その分、DIYとは比べものにならないクオリティの工事をしてくれるハズですけどね)。この設置費用が本体代や煙突代と同じくらいになってしまうことも、ままあるようです。
これをDIYでやる場合、まずは置き場所を考え、設計図を書き、本体や煙突が建物に対して十分な安全マージンを確保しているかを自分で考える必要があります。ちなみに安全を確保するにはどのような設置をしたらいいか、というのはホンマ製作所さんが詳しい説明をしてくれていますよ。
http://www.honma-seisakusyo.co.jp/pdf/haze_stove_pipe_inst.pdf?d=2017
それができたら、いよいよ設置です。
ここまできたら必要なのは、壁(もしくは屋根)をブチ抜く度胸と、高所で安全に作業する技術です。薪ストーブをDIYで設置しようとお考えのみなさん、今のうちにいろいろと経験を積んで、スキルアップに努めてくださーい。
薪ストーブ格安設置 その④
アクセサリーをDIYする
薪ストーブには、実はいろんなアクセサリーが必要です。
例えばコレは税込みで74,800円なり。
例えばコレとか。お値段は19,800円なり。
その他、自分で薪を作ろうと思うと、チェンソーや斧が必要になってきます。体力に自信がない方は、薪割り機もいるかもしれません。
それら全てを買っていると、とてもじゃないけど財政が破綻します(笑)
そこで、くらしの宿Cocoroでは炉台と炉壁(遮熱板)をDIYすることにしました。
炉台は厚さ1.6ミリの鉄板を買ってきて、端を落として、全体を面取りします。その後マットブラックの塗装をしました。
炉壁(遮熱板)はケイカル板という難燃性のボードで作りました。炉台と炉壁は買えば74,800円ですが、自分で作れば6,000円もかかりません。驚きの価格破壊です! ツールセットはよく似た形の物を引っかける台があったので、それを流用しています。
DIYにありがちなクオリティーの低さがどうもね、と思われる方もみえるでしょうが、どうしてなかなかのできばえです(って自分で言うな)。宿の雰囲気とちゃんと合ってるし、私たちのくらしにはこれで十分なのです。
この辺り、最初に書いた「何かをくらしの中に落とし込む」とリンクしています。自分たちのくらしのあり方と、そこにある物が合ってないと、どこかチグハグになってしまいますよね。
それではみなさんの健闘を祈ります!
そんな薪ストーブがあるくらしの宿Cocoroに、ぜひ暖まりに来て下さいね〜。
DIY談義をしたり、みんなで一緒にぬくぬくしましょう♪ 心よりお待ちしてまーす。