くらしの宿Cocoroのブログ

岐阜県郡上市にあるオーガニックな農泊「くらしの宿Cocoro」。農のこと、古民家くらし、まだまだ続くDIY、そしてネコ。日々のアレコレを綴ります。

私たちがお味噌を仕込みつづける理由(後編)

 2回に分けてお届けしている「私たちがお味噌を仕込みつづける理由」。前編はコチラから。

kurashicocoro.hatenablog.com

 

実は今回もちょっとショッキングな事実からスタートです。

 

ショッキングと言いながら、ただ単に驚かせたり、未来を悲観させるつもりは全くありません。つまりそれだけ大豆を取り巻く状況が、危機的であるということを知って欲しい、そしてそれに対して自分たちで小さな行動を起こしていこうよ、こんなアクションができるよ、という具体的な呼びかけでーす。

 

今回はこんな内容です。

 

大豆栽培の大きなデメリット

さて、大豆の栽培には大きなデメリットがある、と前編でも書きました。それがあるから、私たちは海外からの(キケンかもしれない?)遺伝子組み換え大豆を口にせざるを得ないのですね。

 

そのデメリットとは一体なんでしょうか?

 

それは、大豆は収穫量が少ないのに単価が安いことです。もう一つ付け加えるなら、日本では高温多湿で大豆が育ちにくい、という環境的な側面もあります。

 

通常の農作物は、量が取れない場合は単価が高くなる。反対に量が取れるものは単価が低くなる。そして結果的に単位面積当たりの売り上げが、だいたいですが釣り合うように調整されています。

 

でも大豆には、極端にそれが当てはまらないのです。

 

分かりやすく同じ面積(1,000平方メートル=1反)で、お米と比べてみましょう(以下の数値は農水省が発表している全国の平均値を、一部計算し直して使用しています)。

 

収穫量(反収)

米 533kg

大豆 167kg

 

→収穫量は1/3以下です。

 

 ちなみにアメリカでは同じ面積で260〜350kgくらい収穫できます。

 

単価

米 262円/kg

大豆 163円/kg

 

→単価は6割くらいですね。

 

ってこの時点ですでにおかしいのです。収穫量が1/3以下なら、単価は3倍以上にならないと釣り合いませんよね…。

 

売り上げ額(反収×単価)

米 139,646円

大豆 27,221円

 

→売り上げ金額はなんと2割以下です(T_T)

 

お米を育てていれば全国平均で14万円くらいになるところ、大豆だと3万円にもならない、というこの現実。

 

ちなみにお米の売り上げである1反あたり「14万円」という金額も、野菜に比べるとグッと少ないのです。自然栽培や有機栽培の野菜だと1反あたりで30〜50万円くらい、ハウス栽培や慣行栽培(農薬と化成肥料を使う農法)だと1反で100万円オーバーも可能です!

 

ただし、お米は野菜と違って、低コストで大面積の栽培が可能です。単価が低い分を、膨大な収量で補うことができる。だから経営が成り立っている訳です。

 

でも大豆には、その方程式が当てはまりません。これが大豆栽培の最大のデメリットであり、農家が大豆をやりたがらない原因です。

 

 

しかもです! 

 

大豆はハーベスタや選別機といった大豆専用の機械がないと、収穫後にむちゃくちゃ手間がかかるのです。そういった機械は大豆にしか使えないので、使う頻度は年に1回くらいのくせに、値段がべらぼうに高いのが特徴です。

 

ここに至って、農家のヤル気はさらにダダ下がりです。

 

ま、農家の心の声を30字以内でビシッとまとめますと

「大豆なんてやっても、手間と金ばっかりかかって儲からん」 

これに尽きますね…。

 

デメリットを解消する手段として

農家は手間とコストがかかってしかも儲けが少ない大豆を、できることなら育てたくない。でも食に関心がある人たちは安心、安全な国産大豆を手に入れたい。じゃあ一体どうしたらいいのか? という問題が、1980年代くらいからずーっとあります。

 

そこでなんとかして農家のヤル気を引き出そうと、政府は大豆を栽培する農家に補助金を出してきました。たしか個人農家だと1反当たり3万5千円くらい、営農組合だと7万円くらいだったかな? それを足しても6万5千円から9万7千円。まだお米とはずいぶんと開きがありますね…。

 

一方で民間では消費者組合や大豆トラストといった運動も起こりました。大豆を農家から直接高価格で買い取ったり、また収穫後の手間のかかる作業を手伝ったりして、コストと手間の両面から農家を支えてきたのです。大豆トラストについて詳しくははコチラをご覧下さい。

gmo-iranai.lolipop.jp

 

全国を見ると、草の根運動で各地でいろんな取り組みがされています。それぞれの取り組みは素晴らしい内容ですし、結果を出しているのでしょう。先人たちの継続的な取り組みには、頭が下がる思いです。

 

それでも自給率は右肩下がりに下がり続け、今やたったの7%なんです…。

 

そして農業界の高齢化と農業人口の減少がさらに進むこの先、この数字が今より下がることはあれ、上がる見込みはありません。そしてそれを改善する政策も、全く聞こえてこないのです。

 

くらしの宿Cocoroの取り組み

ではそんな現状を踏まえ、私たちがどうやって今までその問題に取り組んできたのかをお伝えしますね。

 

とかエラソーに言いながら、実は特別なことは何もやってないんですよ。とかキッパリ言ってしまうと身も蓋もないんですが…。

 

ただし、私たちは以下の3つの要素を組み合わせています。

 

  1. 知恵
  2. 技術


1はお味噌作り教室や講師活動などで、簡単で失敗せずにできるお味噌の仕込み方を伝えています。塩分の濃度や、麹の使い方など。これがくらしの知恵です。

 

2は大豆とお米の栽培方法を、ワークショップ形式で学ぶ教室の開催です。農の技術を学ぶのですね。

 

そして3です。お味噌仕込みセット(大豆と米麹と天日塩)を作って、販売をしています。1セットで約4キロのお味噌を仕込むことができます。

 

この3つ、それぞれは決して目新しくもないし、どれ1つ特別な方法ではありません(ひょっとするとお味噌仕込みセットを個人で販売している農家は珍しいかも?)。でもそれらをうまく組み合わせることで、「小さな農家」が育ちます。

 

「小さな農家」が増えれば大豆の自給率を回復することができるハズだ! 

そんな大それたことができなくても、お味噌を自給できる人は増えるハズだ! 

 

と私たちはいつも夢見ています。

 

やってみたいけど自分にはできそうにないわ、という方は、ぜひコチラを読んでみてください。大丈夫です。まず必要なのは自分たちが使わせてもらえる畑を探す熱意です。小さくてもいいので、畑が見つかれば、誰でも気軽に農と関わることができますよ〜!

kurashicocoro.hatenablog.com

 

私たちがお味噌を仕込む理由 

ま、今までに書いてきた小難しいことはさておき、最後になりましたが、私たちがお味噌を仕込む理由について書いておきます。

 

それはシンプルに楽しいからです♪ 

 

そしてくらしに必要だからです♪

 

自分たちのくらしに必要なものを、イチから自分たちの手で育てる。それが永続可能なくらしのあり方です。たくさんの人が、そんな生き方を自分たちのくらしとして選んでいけば、この先の世界は大きく変わっていくんじゃないでしょうか。

 

とか言いながら、まだまだ私たちには全然できてないことが多くて、時々うぅ〜って自己嫌悪になったりもしますが…。

 

ま、よくお世話になる偉人の言葉を借りるなら「人間だもの」です。間違ったり、迷ったり、クヨクヨしたりしながらも、顔を上げて前を向いて進みますよ!

 

そんな私たちがドタバタする姿を見に来てくださーい(笑) お料理教室もあってワクワクのお味噌仕込み教室の詳細はコチラから!

kurashicocoro.hatenablog.com

 

第一回お味噌仕込み教室(1/18〜19開催)の締め切りは1/12(日)です!

 

お申し込みは

kurashicocoroアットgmail.com(アットを@に変えてくださいね〜)

からお願いします!

 

まだまだ絶賛お申し込み受け付け中です! たくさんの方のご参加、お待ちしていまーす♪