くらしの宿Cocoroのブログ

岐阜県郡上市にあるオーガニックな農泊「くらしの宿Cocoro」。農のこと、古民家くらし、まだまだ続くDIY、そしてネコ。日々のアレコレを綴ります。

化学物質過敏症のお客さまへ

こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農泊を営む、くらしの宿Cocoroです。

 

※これは『化学物質過敏症の人はどんな家に住んだらいいのかしら?』というタイトルで2019年11月14日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記して、その他の部分も修正して2020年8月9日に再度公開しました。

 

ここ数日、何だか妙に暖かい日が続いています。寒すぎるのは好きじゃないけど、こういう季節感がなくて妙に暖かいのも、何かイヤ〜な感じです。最近は暖かすぎて、干し柿がうまく干せません。気温が高いと、干した後でカビが生えちゃうんですよね。今年は柿を全部猿に食べられてしまったので、干す干さない以前の問題ですが…。

 

少し前のことですが、くらしの宿Cocoroに化学物質過敏症のお客さまがおみえになりました。実はくらしの宿Cocoroのコンセプトの一つが「化学物質過敏症のかたにも安心してお泊まりいただける宿」なのですね。

 

今回はくらしの宿Cocoroの取り組みや、化学物質過敏症お客さまを実際にお迎えして思ったこと、ワタクシたちが普段から気をつけていることなんかをお伝えしようと思います。

 

目次です。

 

衣食住は大事だよ 

私たちはもともと無肥料・無農薬の自然栽培の農家なので、化成肥料や農薬などの化学物質や食品の添加物などには、以前から気をつけてきました。

 

なので同じ感覚で、古民家を改装してくらしの宿Cocoroを始めようと思った時も、宿に使う資材はできるだけ自然素材で、できればオーガニックなもので、とずっと考えていました。

 

「衣食住」のうち食にはある程度気をつけて実践しているので、次は住だ! と思ったわけです。

 

とは言え、それまでは建築資材なんて扱ったことがなかったので、使いたいものをその都度一つずつ詳しく調べる、というなかなか手間のかかる作業をしてきました。そして分かったことは

 

建築資材もけっこうグレーだね…

 

 という残念な事実です。

 

そもそもの話をすると、企業秘密なのか法律上の理由なのか分かりませんが、内容成分が明示されていないことが多いのです。食の世界では成分が公開されていないことなんて、まずないですよね(たまに偽装はありますが…)。

 

そして「自然素材」「無添加」などといかにも雰囲気よさげに書かれていても、メーカーに電話をして突っ込んで聞いてみると、化学物質が含まれているということがよくありました。

 

ホームセンターなどで売っている、塗りやすい練りタイプの漆喰。DIYで使われる方も多いと思いますが、あれにもたいてい化学物質が添加されています。塗りやすさと保存性のためでしょうね。

 

せっかく自然素材を使ったのに、実は化学物質が含まれていたなんて泣くに泣けません。じゅらく壁に漆喰を塗った時に、練りタイプの漆喰やシーラー(アク止め剤)を使わなかったのも、同じ理由からです。

kurashicocoro.hatenablog.com

 

ちなみに先ほど「建築資材」と書いたのには意味があります。

 

実は農業界にも同じようなことがありました。ワタクシが記憶しているのは、1980年前後の、いわゆる「第二次有機農業ブーム」の時です。

 

当時はまだ法の整備がされておらず、どんな野菜でも勝手に「有機野菜」と名乗って、付加価値を付けて販売することができたのです。農薬を使っていない風を演出するために、出荷前だけ虫を殺さずあえて虫食いの穴を作る、なーんて高度な技術もあったようです。果たしてそんなにうまく行くのかどうかは知りませんが(笑)

 

食べ物の場合は日々口にするものだから、その後、法が整備されましたが(といっても、法整備までに20年近くかかったと記憶していますが)、建築資材はそこまでの緊急性がない、ということなのでしょうか。

 

でもワタクシたちは化学物質過敏症を始めとするさまざまなアレルギーは、衣食住すべてに関係があると考えています。ですので改装に使う資材はできるだけ自然素材で、と考えたのです。

 

具体的な取り組み

くらしの宿Cocoroを作った時に特に重視したのは、床材、壁材、床に塗るオイル、壁に塗る漆喰やペイントなど、家の中で占める面積が大きいものです。そこから放出される物質は、家の中でかなりの量になります。そして気密性が高い現代の家ほど、当然その影響は大きくなります。まぁくらしの宿Cocoroは古民家なので、気密性はそれほど高くないんですけどね。

 

そしてワタクシたちが選んだのがコチラ!

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その時にとてもお世話になったAURO。超オススメです!

信頼のアウロです! 自然素材といえばもうこのほぼ1択しかない! くらいのレベルです。

 

これはNo.129という無垢材に塗るワックスなんですが、100%天然原料(鉱物含む)でできています。オレンジの爽やかな香りも、作業をしてても超ゴキゲンになれます。 

 

普段のお掃除にもAUROを使っています。お客さまと一緒にお掃除をすることもあります。お掃除の様子はコチラからどうぞ!

kurashicocoro.hatenablog.com

 

ちなみに無垢材に初めてワックスを塗ると、こんな風になります。

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無垢材の床にオイルを塗るとこんな感じになりまーす

下が無垢のまま、上の方にはオイルがぬってあります。オイルを塗ると木がしっとりするのと、あと木目がとてもキレイに出ます。初めて塗った時は感動したなぁ。床を貼ってくれた大工さんが後日「お〜、ええ色になった」と喜んでくれたので嬉しかったです。

 

反対に、どうしても自然素材でできなかったものもあります。タイルのボンド、目地材、水回りのコーキング材です。これはいくら探しても「これだ!」というものが見つかりませんでした。もしご存じの方がいらっしゃれば、ぜひ教えて下さーい!

 

とまぁ、できる限りのことを考えて、右往左往しながらDIYを進めてきました。ちなみに私たちがどれくらい迷走しているかはコチラからどーぞ! 

kurashicocoro.hatenablog.com

 

化学物質過敏症のお客さまがやってきた 

そんなある日、知人から一本の電話が。「友だちが化学物質過敏症なんだけど、泊めてもらえるかな?」

 

おお、イキナリそんなお客さまが来ちゃいますかー。

 

今までそのための準備をしてきたとは言え、具合が悪くなられたらどうしようかと、ちょっとビビるワタクシたち。

 

詳しく話を聞いてみると、久しぶりに実家に里帰りをしたはいいけど、実家の香りや電磁波がキツくて、そこに長時間はとてもいられない。かと言って安心して泊まれる場所もないし、どうしたらいいものかと悩んでいたそうです。

 

しかしまぁ、ビビっていても始まらない。まずは実際にくらしの宿Cocoroに来てもらって、様子を見てから判断してもらうことになりました。当然お客さまからはいろんな質問が出ます。

 

「洗濯洗剤は何を使っていますか?」→市販の石けんと、灰を煮出したもの(自家製)です。

「柔軟剤は?」→使ってません。

「シャンプーは?」→オーガニックの石けんです。

「ファブ◯ーズは?」→持ってませんし、使ったこともありません。

「お掃除はどうやってしますか?」→基本的にはほうきと雑巾がけです。

「食べ物は?」→うちで自然栽培した野菜とお米です。

化学調味料とか使います?」→使いません。

「エアコンは?」→ありません。

「テレビは?」→ありません。

Wi-Fiも?」→はい、ありません。

 

いろいろ話をした後のお客さまの感想は

 

「なんかここなら大丈夫そう」

 

いやー、少し安心しました。まずは様子見で1泊していただこうということになりました。

 

そして緊張の翌朝。

 

「家よりもよく眠れました!」

 

そうですか! それは本当によかったです。結局お客さまはそのまま3泊されました。快適に過ごしていただけたようで、ホッとしました。今までやってきたことがあながち的外れでなかったことにも、安心しました。

  

そして気づいちゃいました

化学物質過敏症の方に古民家っていいんじゃない?

 

理由はいくつもあります。ざっと挙げてみても

 

  1. 建材がナチュラル(化学物質が使われ始めるのは70年代くらいから)
  2. 気密性が低い(だから寒い、というデメリットもあるんですが)
  3. 夏涼しく、冬暖かい(意外にもそうなんですよ)
  4. 電気の配線が少ない(昔はコンセントがたくさんあると固定資産税が高かったそうです)
  5. かわいい♡

 

5はあくまで個人的な趣味ですが(笑)、それ以外はけっこう本気で言ってます。化学物質過敏症の方が悩まれていることが、これで大きく解決に向かう! と、そこまで思うのはワタクシの思い込みかなぁ?

 

あと古民家は夏は涼しいけど、冬は寒いからイヤだな〜、なんてお考えのアナタ。チッチッチ(と人差し指を振る)、実は古民家には天国があるんですよ。それは

 

縁側! え・ん・が・わ〜!

 

昔のじーちゃんばーちゃんは昼間はポカポカの縁側で何か作業をしてましたよね。ネコも昼間はいつも縁側でゴロゴロしています。太陽が出ている間は、全く暖房はいりません(ただし縁側から別の部屋に移動するとチョー寒いですが…)。

 

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現に今も、縁側でこの文章を書いています。ヌクヌクしてて幸せです。

 

しっかりした大工さんが建てた古民家だと、ひさしの角度が絶妙で、夏は日光をさえぎって涼しく、冬は部屋まで日を通してくれます。

 

もう一つ古民家でよくあるのは、足下から冷えるというものですが、これは床下に断熱材をいれることで、かなり改善できます。

 

みんなでくつろげるリビングは元々はたたみだったのですが、床下に断熱材を貼り、床はフローリングに替えました。たたみもいいけど、ダニやほこりが溜まりやすいのが難点です。呼吸器系のアレルギーがある方は、フローリングの方が断然オススメです。

 

とかく敬遠されがちな古民家ですが、実は意外にも現代生活にマッチしているのでは!? と思うワタクシたちでした。

 

そんな古民家、くらしの宿Cocoroに泊まりに来てくださーい。

ご予約はこちらから

 

お待ちしてまーす♪